知人に「怖い事言わないで!」と言われたマーケティングの話

マーケティング用語で「リストマーケティング」という手法があります。

メールアドレスの登録やLINE登録をしてもらって、こちらから情報提供をした後に商品の提案をするマーケティングの方法です。

わかりやすくいうと化粧品の「ドモホルンリンクル」がやっている有名な手法です。

この間、10年来の知り合いの女性がやっているカフェに行きました。

私が映像の仕事をしているのは知っている人なのですが、本当に久しぶりだったので、最近何やってるの?みたいな話になりました。最近はビールフェスや古道具市などイベントによく行っているという話の流れから、

「イベントで色んな店が出店してるじゃないですか。僕いつも思うんですけど、お客さんに商品渡すまでに時間あったりするから、うまくリスト取りした方が後からお知らせとかできて良いと思うんですよねー。」

と言うと、

「リスト取り?そんな怖い事言わないでよー!」

と、その女性が言ったんです。その時はそれで話は終わったんですが、リスト取りに怖い印象がある事に引っかかっていました。

リスト取りしている店は、大手のNECのみ
インスタ登録案内はあるが、それも出店数の1割以下

確かに、今でこそ私も色んな店のメールマガジンやLINE登録していますが、昔は怖い、怪しいという気持ちがあったように思います。そのネガティブな印象はどこからくるのか考えてみたところ、煽って売る「プロダクトローンチ」という方法がインターネットでよく使われているからではないかと思ったんです。

プロダクトローンチは商品をより良く見せるために、場合によっては誇大表現とも言える表現を使い、本当は欲しくない人にまで煽って売る事が多い。だから、商品が期待以下だった場合、印象が悪くなったり、場合によっては詐欺だと言われる事もあります。

リストマーケティングをネガティブに感じる人は、このプロダクトローンチの悪い部分の印象が強いんではないかと。だから、

「リストマーケティング=プロダクトローンチ」

と誤解をしていて、恐怖を感じてしまう。そもそも、リストマーケティングは約400年前の江戸時代からあった方法です。

当時は「リスト」ではなく「顧客台帳」で、お客さんへ連絡を取るための唯一の手段であったため、非常に大切に扱われていました。

「火事と喧嘩は江戸の華」と言われるほど江戸では火事が多く起こっており、その理由は、日本一の密集地域であり、長屋が多くあったためと言われています。

そんな中、商人は火事が起こった時、真っ先に顧客台帳を抱えて逃げました。たとえ、商品や建物が火事で焼失しても、顧客台帳があればこちらから連絡を取る事ができ、再び商売をやり直す事ができるからです。

火事になった江戸の様子
https://edo-g.com/blog/2016/01/fire.html/bunka_no_taika_l

今の時代、この顧客台帳に代わるものがメールアドレスやLINEで収集した顧客リストなんです。
特にIT技術が発達した現在、リストを使ったマーケティングはとても効率がいい。

DMだと1,000人に送りたい場合、1,000枚ハガキを用意し、印刷、発送しなければなりません。しかし、メールやLINEであれば、1通文章を作り、送りたい人のアドレスをポチポチ選んでいくだけ。後は送信ボタンを押すだけで済んでしまいます。

実店舗の強みは、なんといってもお客さんの気持ちを理解しやすい事です。実際にお客さんと顔を合わせるので、お客さんが知りたい事、困っている事などは見当が付くはずです。もし、それらがわからない場合でも、実際に聞くことができます。お客さんにとって有益な情報を、メールやLINEで定期的に配信する事で、人間関係の本質でもある

「信頼関係」が構築しやすい。

だから、実際にお客さんとやりとりしている人こそ、リストマーケティングを取り入れるメリットは高いんです。

新しいお客さんを探し続けるのではなく、一度興味を持ってくれた人に情報提供し、お得意様になってもらう。リストマーケティングはやればやるほどビジネスが楽になっていく方法です。

集客部分が課題の方は、リストマーケティングを取り入れて、お客さんと信頼関係を築いてみてください。有形商品に限らず、無形のサービス(コンサルタント、講師業、クリエイターなど)でも有効な手法です。リストマーケティング加え、現代のお作法として、動画を絡めた導線をうまく設計できれば、地方では割と「無双状態」になると思うんです。
まだまだ取り入れているところは多くないですからね。

もし、もっと詳しい話を聞きたいという方がいたら、蒲生までご連絡ください。